「好きなものだけ詰め込んでやりました。」

好きなことについて好きなペースで書いて行くのさ。ゲーム実況はじめました。

Hydra

「五組の中岡、結崎のこと好きなんだって」
 これで、何度目だろう。
 あなたから違う〝好き〟を伝えられるの。
「そうなんだ」
「相変わらずモテモテだな。羨ましいや」
 羨ましいの意味、分かってる?
 言えない。私はこの人の心に、入り込めない。
「でも、好きでもない人に言い寄られたって、嬉しくないよ」
「そう? 俺なら嬉しいけどな。そんなこと、有り得ないけど」
 時折見せる、哀しそうな目。
 私を寄せ付けない、凍てついた心。
〝俺は誰にも愛されない〟
 そんな風に思い込んで、誰にも愛させない。隙間無く打ち立てられた防壁は、誰からの愛情も寄せ付けず、孤独を厭いながら、完璧なまでの孤独を生む。
 誰があなたを、こんな風にしたんだろう。
 純粋に誰かを好きになれるあなたを想像して、そんなあなたなら、私は好きになれなかったんだろうな、なんて思った。顔が好きで、ただヤりたいだけの男たちに、私は愛情なんて抱けるはずがない。理性で私を好きになってくれる人に、私は添い遂げたい。でもきっと、本能が理性に先立つ。あなたも昔のあなたなら、私の嫌いな人になっていた気がする。
「藤埜にも、いるかもしれないよ? 藤埜のこと、好きだって思ってる人が」
 あなたは、私を好きにならないから。私は、あなたを好きになってしまった。好きにならないと、分かっているから。
「かもな。でも、信じられない。俺なんかよりよっぽど良い奴を見つけたら、俺のことなんてすぐ忘れるよ」
 誰があなたを、こんな風にしたんだろう。
「まあでも、いないと思うね。そもそも俺、そんな女子と仲良くないし」
 あなたの目に、私はどんな風に映ってるんだろう。
 もし、その景色を、少しでも変えることが出来たら――
 そう思っても、これは、現実。
 ロマンからかけ離れた、現の世界。
 じゃあ私が、好きだ、って言ったら? なんて。そんなバカなセリフ、誰が言えるんだ。
「だよね。無理無理。実際、藤埜が好きだ、なんて話、私聞いたこと無いもん」
「普通そうだわ」
 あなたが私を好きになったら、この気持ちは消えてしまう気がする。
 私は、私を好きにならないあなたが、好きなんだ。
 誰かみたいになったあなたを、私はきっと、愛せない。
 これは、現実だけど。
 直視しなくても、生きていける。
 夢の世界を、重ねられる。
 これ以上を、求めなければ。

 

 

今日はなろうより先に投稿します。

Hydra: ハイドラは、モンスターとかでよく見かけるギリ神の怪物ヒドラの英語読みですが、他に難題、難問のような意味を持っています。

 

が、元ネタはそっちではなく、藤夜大好きスプラトゥーンの、ハイドラントの略、ハイドラから来ています(笑)

 

Hydrant: ハイドラントは、消火栓、給水栓という意味です。実際にスプラトゥーンのハイドラントは、それをモデルにしたブキになっています。スプラトゥーンでチャージ時間を除いて最もキルタイムが早いブキとして有名で、無双されるブキです。

 

(`・ω・´)はい。

(`・ω・´)私の創作のきっかけはそんなものです!

 

出だしはふいに浮かんだ単語から、連想ゲームして、結局愛だの恋だのに行きます。

ね、簡単でしょ? っていうメイキングを思い出しますね。

スプラトゥーンのハイドラからこんな作品が生まれるんだぜ……。

っていう面白い話でした。

 

あ、Hydraの難題、難問のような意味に、この作品の内容、まあなってるかなってことで、こじつけています☆